スタイルブランディング®コラム

強い絆の関係性/スタイルブランディング®コラム

(2014-12-25)

強い絆は、弱い絆よりも損なわれにくく予測しやすいため、
市場シエアの増大につながり管理も容易であるが、
他の関係性に比べてえてして収益性が低い。
夫婦や親友に似た関係性は、構築と維持に多大な投資や努力を必要とするので、
資源集約的だといえる。
しかも、親密な関係性を築いた後に値上げや取引条件の変更をすると、
裏切りと受け取られかねない。

アマゾン・ドットコムがプライム会員の会費を25%引き上げた際、
一部の顧客はアマゾンの強大な交渉力についてしばし考え込んでいた。
そして、自分たちは無防備で弱い立場にあると実感した。
パートナーとして心地よい関係を築いていたつもりでいたのに、
その実はアマゾンへの依存を深めていたと、ふいに悟ったのである。

引用:「Unlock the Mysteries of Your Customer Relationships」
・Jill Avery(ハーバード・ビジネス・スクール上級講師)
・Susan Foumier(ボストン大学 スクール・オブ・マネジメント教授)
・John Wittenbraker(GfKグローバル・ディレクター)
Diamond Harvard Business Review October 2014/発行:ダイヤモンド社
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ビジネスにおける強い絆とは何でしょうか?
信頼・互恵関係が根底にはあったはずが、時を経て依存関係に近いものになってしまう。
その結果、お互いの関係性を進化させられない状況に陥ってしまった経験はないでしょうか?

最初はお互いに刺激を受けて前に進んでいた関係だったにもかかわらず、
関係が深まったばっかりに、刺激を受け入れられなくなってしまう。

顧客との関係性においては、収益性は低いものの安定的な取引関係のある顧客を、
ある一定の割合で確保しておくことは重要です。一方で、刺激を与えることで、
出入りはあるものの、緊張感のある関係性をもった顧客も一定の割合で必要です。

どの顧客とどういった関係性を築くことが、結果的に継続的な安定をもたらすのか?
強い絆ではなく、脆い関係性はどのようなインパクトを及ぼすのか?
このあたりを、次回以降も研究していきたいと思います。

株式会社スタイルブランディング® 平山正人