スタイルブランディング®コラム

誰かが利益をさらっていく/スタイルブランディング®コラム

(2012-12-15)


予期せぬ成功は気づきさえしない。注意もしない。
利用しないまま放っておく。
そこへ誰かが現れ、利益をさらっていく。

                  ~P.Fドラッカー「イノベーションと起業家精神」

引用:「変革の哲学」著者:P.F.ドラッカー/編訳:上田惇生/発行:ダイヤモンド社 ======================================================
こう表現してしまうと、成功に気づいて利益を出した人が悪者に感じますが・・
そうではない事例を1つ。

以前テレビで、ABCクッキングスタジオのことを取り上げていました。
その内容は、「おばあちゃんの味をレシピ化して若い人に教える」というテーマに、
スタッフの皆さんが奮闘しているものでした。

「おばあちゃんの味」とはまさに「おばあちゃんのさじ加減」で行われている訳で、
それは経験値から来るものであったりして、いちいち使う調味料や食材を、
正確に数値化できるものではありません。

そう、「おばあちゃんの味」って、予期せぬ成功とは言いませんが、
レシピ通りに計算された成功ではなく、おばあちゃん以外の人にしてみたら、
予期できぬ成功なのかもしれません。
そこに目をつけたのが、ABCクッキング。
もちろん、おばあちゃんの味=文化を、後世に引き継いでいくという目的が
先にたちますが、予期できない成功をビジネスに転換した成功例だと思います。

番組では、「さじ加減」をレシピにするために、試行錯誤した結果、
使用前の調味料の重さを量っておき、調理後の調味料の重さを再度軽量。
結果、減った分が「おばあちゃんのさじ加減」としてレシピに記されました。

この場合、「利益をさらっていく」という表現はあてはまりませんが、
予期できない成功をちゃんと形に表して、おばあちゃんの味の伝承と、
ビジネスを両立させたアイディアに、敬服です。

皆さんの身近に、似たようなことありませんか?

株式会社スタイルブランディング
平山正人